- 赤い実ができる木を教えて下さい(18)
カラタチバナ/からたちばな/唐橘
実の時期:10月 実の直径:6~7mm
木の特徴
・草のように背は低い
・実は長く枝に残る
・自然環境では薄暗い場所に自生しており、庭園でも高木の下など直射日光があたらない場所が良いです
・連作障害が起きやすく、マンリョウ、ヤブコウジを含めて同類の植物が育った跡地では生育が悪いです
- 赤い実ができる木を教えて下さい(17)
センリョウ/せんりょう/千両
実の時期:10月~ 実の直径:5~7mm
木の特徴
・低木
・実は葉の上につく
・日向では葉が焼け、日陰では実付きが悪い事から、明るめの日陰に植えるのが丁度よい。
・剪定の必要がなく、手間がかからない。(剪定には不向き)
- 赤い実ができる木を教えて下さい(16)
マンリョウ/まんりょう/万両
実の時期:10月~ 実の直径:6~8mm
木の特徴
・低木
・葉の縁が波打つ
・日向でも育てられるが、葉の色が悪くなる。
・剪定の必要がなく、手間がかからない。(芽を出す力が弱く、剪定には向かない。)
・根が真下にしか伸びず、細根が少ないため、大きくなったマンリョウの移植は難し。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(15)
ナンテン/なんてん/南天
実の時期:10月 実の直径:4~7mm
木の特徴
・低木で都会にも多い
・古い民家に多い
・ナンテンの実を食べるのは主にヒヨドリ。
・剪定は可能だが、基本的には剪定を嫌うため、樹形を整える最低限にとどめなければ、生育が悪くなる。
・病害虫に強いが、根が浅く、なおかつ頭でっかちに育つため、風の影響で倒れやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(14)
ソヨゴ/そよご/冬青
実の時期:10月 実の直径:6~9mm
木の特徴
・葉は波打つ
・幹が複数ある「株立ち」が多い
・成長が遅く手間がかからないが、剪定にやや弱く、下手に手を入れると形が乱れる。
・病害虫にも強いが、根が浅いため大木になると強風で倒れやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(13)
イイギリ/いいぎり/飯桐
実の時期:10月 実の直径:8~12mm
木の特徴
・木の姿がキリに似て、大きな葉が昔、食器代わりに飯(おこわ)を包むのに使われた事から、イイギリ(飯桐)と名付けられた。
・実はブドウのように垂れ下がる
・実は落葉後も枝に残る
・病害虫には比較的強いが、稀に、さび病の発生が見られる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(12)
ナナミノキ/ななみのき/七実の木
実の時期:10月 実の直径:6mm
木の特徴
・大木では実を見つけにくい
・モチノキやクロガネモチに似る
・モチノキやヤマグルマと同様、樹皮からはトリモチが採取された
・成長が遅く、それほど剪定の必要もない
・都市部ではモチノキ同様にカイガラムシやハマキムシの被害に遭うことがある
- 赤い実ができる木を教えて下さい(11)
クロガネモチ/くろがねもち/黒鉄黐
実の時期:10月 実の直径:5~8mm
木の特徴
・葉の軸が紫色
・大木にできる赤い実は、かなり目立つ
・病害虫、大気汚染に強く、耐煙性、防火性に優れる。
・大きな木でも移植が可能。
・雌雄異株で、実がなるのはメスの木のみですが、オスを植えなくても実はなる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(10)
カナメモチ/かなめもち/要黐
実の時期:10月 実の直径:4~5mm
木の特徴
・生垣に多い
・枝先の葉は赤い
・成長が早く、マメに剪定しますが、材質は硬いため手入れは多少しにくい
・寒さに弱く、降雪地帯では育てられない。
・根頭がん種病、斑点病など病気が多い。本種よりもレッドロビンの方が病害虫に強い。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(9)
シロダモ/しろだも
実の時期:10月 実の直径:12~15mm
木の特徴
・実と共に、黄色い花が咲く
・葉の裏が白い
・実は、赤く熟するまでには1年近くかかるため、花と実を同時に見る事ができ、小鳥がよく集まる。
・剪定に耐える。
・植木としての流通量は少なく、入手はやや難しい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(8)
アキグミ/あきぐみ/秋茱萸
実の時期:10月 実の直径:6~6mm
木の特徴
・葉の色はオリーブに似る
・水辺に多く、初夏に白い花が咲く
・秋になる実は完熟すれば生食できるが、やや渋みがあり果実酒やジャムなどに加工して使うのが良い。
・アキグミの材は緻密で手触りがよく、道具の柄に使われる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(7)
オオカメノキ/おおかめのき/大亀の木
実の時期:8月~ 実の直径:6mm程度
木の特徴
・葉が手のひら大の大きさ
・枝が横へ横へと伸びる
・他に赤い実がない時期にできる。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(6)
カマズミ/がまずみ
実の時期:10月~ 実の直径:6mm
木の特徴
・藪に普通に見られる
・葉脈が目立つ
・萌芽力はあるが全体を刈り込むような手入れは不向き。
・垣根などには向かない。
・剪定は冬季に乱れた枝を根元から取り除く程度。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(5)
ウメモドキ/うめもどき/梅擬
実の時期:10月~ 実の直径:5mm
木の特徴
・実の数が多く、冬の間中、枝に残る
・枝が横に広がる
・実のなりがよく、樹形の乱れも少ないため、初心者でも楽しめる.
・萌芽力があり剪定にも強い。
・日向を好む。実の成りは悪いものの日陰でも育つ。
・病害虫に強い。(カイガラムシの被害に遭うこともある)
- 赤い実ができる木を教えて下さい(4)
モチノキ/もちのき/黐の木
実の時期:9月~ 実の直径:10~15mm
木の特徴
・葉に病害虫が多い
・実は朱色に近い
- 赤い実ができる木を教えて下さい(3)
アオハダ/あおはだ/青膚・青肌
実の時期:9月~ 実の直径:7~8mm
木の特徴
・葉が薄く、黄葉する
・幹や枝数が多い
・自然樹形を楽しむ木であり、剪定にはセンスと技術が必要になる。
・病害虫は少ない(まれにテッポウムシの被害にあう)。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(2)
モッコク/もっこく/木斛
実の時期:9月~ 実の直径:10~12mm
木の特徴
・葉はツヤツヤ
・古い家の庭に多い
・大気汚染、潮風に強く耐陰性が高い、また日陰でも日向でも良く育つ。
・湿気のある肥沃な土地を好み、西日や冬の寒風に弱い。
・寒さに弱く、関東北部より北では冬季の葉が見苦しくなりやすい。
- 赤い実ができる木を教えて下さい(1)
ヤマボウシ
実の時期:8月~ 実の直径:12~25mm
木の特徴
・新しい家の庭に多い
・樹皮がまだら模様
・実は品種によって大きさが違います
・実は果肉が柔らかくて甘みがあり、生食や果実酒に使うことができる。
- 木の苗を植えたいのですが、根っこ回りの布は外すのですか?
写真は根巻き苗と言います。
掘り上げた苗木の根っこを麻布と麻紐でくるんで根を巻くことで根を保護しています。
根巻き苗は麻布も麻ひもも外さず、そのまま植えてください。
麻布も麻紐も数ヶ月で土中で分解されてなくなります。
わからない、面倒な時はご連絡下さい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(20)
モクレン(木蓮)
木蓮という名前は、ハス(蓮)に似た花が咲く木という意味合いです。
寒さに比較的強く、北海道でも植栽できます。
日当たりを好み、日陰では育ちが悪く湿気のある肥沃な土地を好みますが、あまり土質を選びません。
株立ち状に育ち、枝分かれも多いですが剪定は好みません。
強度の剪定は樹勢が衰える原因となる可能性があり、冬季に不要な枝を付け根から切除する程度にとどめる程度が良いでしょう。
。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(19)
ミツマタ
中国・ヒマラヤ地方を原産とするジンチョウゲの仲間で関東地方以西の本州、四国、九州に分布します。
名前の通り枝が三つに分岐するのが特徴で、樹皮は和紙の原料になり、特に「お札」の原料になる木として各地で栽培され、現代、各地で見られるのはそれが野生化したものだそうです。
植栽適地は日向から半日陰で、夏の西日や冬の寒風が当たらない場所がよく、特に苗木のうちは直射日光を嫌います。
ジンチョウゲ同様移植が難しい為、植え付けの際は考慮する必要があり、また剪定もあまり好みません。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(18)
ヒュウガミズキ(日向水木)
春に咲く黄色い花は可憐で美しく、秋の黄葉も観賞価値があるため庭園や公園でしばしば利用されます。
原産地が日向の国(宮崎県)として名付けられましたが、実は近畿地方北部の産であり、誤解であります。
本来は自然な樹形を楽しむべき樹種ですが、刈り込みに強いため樹形を整えることもできます。
日向であれば土質を選びませんがしかし、日陰では花つきが悪いです。
芽を出す力が強く病害虫、潮風にも強いですが成長が早いため、大株になりやすいので注意して下さい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(17)
ハイビャクシン(這柏槙)
成長が遅く、病気にも強いため、あまり手をかけずに年中緑色のグラウンドカバーとなる、
肥沃地がベストだが、痩せ地でも育ち、挿し木で増やすこともできる。
寒さには強いが、日陰では生育が悪い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(16)
ニオイヒバ(匂檜葉)
ニオイヒバの名のとおり、葉を揉むと特徴的なパイナップルあるいは柑橘系のさわやかな香りがする。
葉から採取される精油は薬用になるが、中枢神経に弊害をもたらす物質(ケトン)を含む。
寒さにかなり強く、北海道や東北地方などの寒冷地で垣根に使われることが多い。乾湿を問わず丈夫に育ち、枝は水平に伸び、樹形は円錐形になるのが基本。
あまり手を入れずに自然樹形を鑑賞するのが理想だが、芽を出す力は強く、剪定にも耐える。
また、若木のうちは成長が早く、垣根を作りやすい。
季節によって葉の色が変化し、冬期はくすんだようになるため、好みが分かれる。
病害虫、大気汚染に強いく、 日陰にも耐える陰樹だが、日当たりの悪い下枝は枯れこみやすい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(15)
トサミズキ(土佐水木)
土質を選ばずに育つが、石灰岩質を好み半日陰でも育てられる。
病害虫に強いが、寒さに弱い。
芽を出す力はあるが、基本的に枝数は少なく、あまり剪定を好まない。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(14)
ドウダンツツジ(満天星)
成長が緩やかで、大きくなるまでに時間がかかるため、比較的狭いスペースでも育てられる。
耐寒性、耐暑性があり、乾燥や病害虫にも強い。
花を楽しむためには日向に限るが、非常に丈夫な木であり、半日陰程度なら耐えられる。
また、土質もあまりこだわらずに育つ。
枝分かれが多く、好きな形に剪定しやすい。真夏を除けば、葉が全てなくなるような強い剪定にも耐える。
剪定をサボると下の方の枝がなくなりやすく、垣根の場合は用心したい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(13)
ソヨゴ(冬青)
葉がまばらで常緑樹としては明るく、庭の雰囲気が暗くなりにくいが目隠しにはなりにくい。
背丈があまり大きくならないため、狭い庭にも適している。
成長が遅く手間があまりかからないが、剪定にやや弱く、下手に手を入れると形が乱れる。
土質を選ばず、病害虫にも強い。
日当たりを好むが、西日は嫌うが、日陰でも育てることができる。
枝が角ばったように発生するため、柔らかなイメージを維持するように管理するのは難しい。
赤い実がなるのは雌の木のみ。雄の木に比べると値段はやや高め。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(12)
スモークツリー
葉の色合いが美しく、カラーリーフとしても人気を高いが、ウルシの仲間であり、肌が敏感な人は注意を。
日当たりが良く寒風の当たらない場所が良く、成長が早く、大きくなりやすいため肥料はあまり必要ない。
病害虫にも強い。
花芽ができるのは2年生の枝なので、適当に剪定していると花を観賞することができない。
剪定の適期は花の直後。
樹形が乱れやすく、風によって転倒することもあるため、支柱を取り付けるか、枝抜き剪定をする。
スモークツリーは雌雄異株で、煙のような花が咲くのは雌のみ。購入の際には確認が必要である。
品種が多く、樹高や葉の色に多くのバリエーションがある。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(11)
シマトネリコ(島十練子)
島に育つトネリコの仲間という意味で、シマトネリコと名付けられた。
トネリコは「共練り濃」あるいは「戸練り粉」が転じたもので、樹皮を煮てニカワ状にしたものに墨を
混ぜて練ったものが、写経などに使われたことに由来する。
成長が早く、敷地に応じて大きさを抑制する必要がある。爽やかな姿を維持するには剪定のセンスが必要。
常緑樹としては葉の出方が粗く、目隠しにはなりにくい。
潮風、病害虫に強い。(環境によってはカイガラムシやアメリカシロヒトリの被害がある。)
木の姿が南国風で、他の植木とは馴染みにくい。
日向を好み、日陰では枝葉が間延びするなど生育が悪い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(10)
サワラ
やや湿気のある肥沃な土地を好むが、人工的に作られた苗木はあまり土地を選ばずに育つ。
病害虫もほとんど見られない。
乾燥にはやや弱く、日差しの強い場所よりも半日蔭くらいの方が生育が良い。
萌芽力があり、葉が密生するため垣根に使用できるが、葉を残すように手入れをしないと枯れるため、
必然的に年々大きくせざるを得ない。【似ている木】
・ヒノキとサワラの違い
葉の先端が尖っているのがサワラで、丸みがあるのがヒノキだが、これだけでは判別が難しい。
より確実なのは葉の裏を見る方法で、葉の裏面の模様(気孔線)がヒノキは「Y」の字で、
サワラは「X」の字になっている。
「X」や「Y」の文字は白く浮き上がって見えるので素人でも難しくない。
また、ヒノキは枝葉が密生しているため、木の下に立つと向こうの景色が見えないが、
サワラは隙間があって向こう側が見える。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(9)
サカキ(榊)
名前の由来には、葉が一年中青く栄えていることから「栄える木」、これが転じてサカキとなったという説や、神の世界と人間界の境に植える木を意味する「境木」からサカキとなったという説がある。
本来は日向を好むが日陰にも強く、植え場所を選ばない。ただし、日陰では枝葉が間延びしやすく、日向では葉の色がきれいになりにくい。
病害虫には強いが、暖地性の木であり、寒さが厳しい場所では育てられない。
茨城県辺りが植栽の北限になる。
枝葉の出方が荒いため、手入れの頻度は低くてすむものの、樹形を整えにくい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(8)
コノテガシワ(児の手柏)
中国の北部~西部を原産地と想定されるヒノキ科の常緑樹。
平面状の葉の様子が、子供の手のひらに似るとして「児の手柏」と名付けられた。
樹皮はヒノキに似ており、樹齢を重ねると縦に裂ける。中国では樹高20m以上になるものもある。
枝葉が密生するため、積雪や強風によって枝が折れやすい。また、根が浅く、風で倒れやすいため、植え付け時は支柱を添え、その後は定期的に剪定して枝葉の量を調整する必要がある。
病害虫に強いが、冬期には葉が褐色になってやや見苦しくなることもある(肥料切れの場合も同様)。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(7)
コウヤマキ(高野槙)
東北地方南部(福島県以西)の本州、四国及び九州(宮崎県のみ)に点在する常緑針葉樹。
かつては北半球に広く分布していたが、現在では日本にのみ残るため、日本固有の樹木とされる。
基本的には土を選ばず、乾燥にも耐えて育つが、水はけのよい肥沃地に植えるとより良い。
稀に黒斑病になるが、基本的には病害虫に強い。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(6)
ギンヨウアカシア(銀葉アカシア)
「ミモザ」の名前で、切花や生け花に使われる常緑樹。早春に黄色い花を枝いっぱいに咲かせる。
ギンヨウ(銀葉)のとおりメタリックな色合いの葉が他の植木とは異なる異国情緒を放つ。
乾燥に強く、日当たりと水はけの良い場所を好み、病害虫には強い。
また枝が縦横無尽に伸びるため、他の木のすぐ近くに植えるのは馴染まない。
幹や枝が軟弱でユラユラと風に弱いため支柱をする必要があり、強風で枝が折れやすいため、花の後は剪定する習慣を付け、できるだけコンパクトにまとめたい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(5)
カツラ(桂)
北海道から九州まで日本全国の山地に見られる落葉樹で、北海道では最も樹高が高くなる木。
左右対称の端整な樹形や新緑、黄葉の美しさから日本の銘木として海外でも知られ新緑の頃は特に美しい。
湿気の多い肥沃地を好み、日向を好むが半日陰でも育てることができる。
病害虫に強いが、夏の暑さにはやや弱く、乾燥が激しいと葉焼け起こすことや落葉することがある。
自然樹形が美しく、不適切な剪定では樹形が乱れる。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(4)
カクレミノ(隠蓑)
関東南西部から沖縄に分布するウコギ科の常緑樹。ヤツデやアオキとともに日陰に強い植木の代表である。
葉の形が伝説上の「隠れ蓑」に似ていることから命名された。
幼木のうちは葉が3つ~5つに裂けるが、成木になると長楕円形の葉だけになる。
ほとんど目立たないものの、成木になると6~8月に黄緑色またはクリーム色の五弁花が咲き、
秋から冬にかけて実が黒く熟す。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(3)
イトヒバ(糸檜葉)
原種であるサワラよりも成長が遅く、樹形が大きく乱れることは少ない。また、病害虫の発生もないため、手入れが楽な庭木といえ、広い庭でも狭い庭でもその場に応じた樹形に整えられる。
比較的、寒さに強く、北海道南部まで植栽できる。
冬期は葉色が褐色になるが、寒さや積雪に耐えるため北国のコニファーとして利用できる。
ただし、元気に育てるなら関東以南が望ましい。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(2)
イチイ(一位)
日本及び中国東北部、シベリア東部を原産とするイチイ科の常緑針葉樹。
まっすぐに伸びる幹と綺麗な円錐形を保つ樹姿が美しい。
葉は羽根状で、カヤあるいはメタセコイア、センペルセコイアを小型にしたような形だが、柔らかでチクチクしない。
病害虫に強いが、まれにハダニ、カイガラムシの被害に遭うことがある。
- 病害虫に強い木を教えて下さい(1)
アカシデ(赤四手)
北海道から九州まで、日本全国の山地に分布する落葉樹。特に関東地方の雑木林では普通に見かける。
別名を「アカソロ」という。新芽が赤く、幹、葉を始めとした木全体も赤みを帯びることから、アカシデ、赤芽シデ、赤目シデなどとも呼ばれるようになった。
一年を通じて木全体に赤味があって美しいが、特に新緑と秋の紅葉は観賞価値がある。
病害虫が少なく、自然樹形に観賞価値があるため、人工的に剪定するのは不向き。
樹形は剪定しなくても整いやすいため初心者に向いている。
- 毒のある木を教えて下さい(22)
アブラギリ(油桐)
雌雄異株で5月から6月にかけて直径2センチほどの小さな白花が円錐状に集まって咲く。
中心部が黄色から赤へと変化する。花の後にできる実は楕円形で、10月頃、黄褐色に熟す。
種子にはエレオステアリン酸を含み、食べると嘔吐、下痢の症状を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(21)
センダン(栴檀)
四国から沖縄の暖地に自生する落葉樹。
トネリコに似た涼しげな枝葉が良好な緑陰を作ることから、校庭や並木に使われることが多く、初夏に咲く薄紫色の花はたいへん美しく香りも良い。
一つひとつの花は小さいがまとまって咲くため、花期には木全体が薄紫色に見えるほどになる。
9月ごろに熟すクリーム色の大きな実は、枝先に鈴なりにでき、遠目からも目立つ。
その姿は数珠がたくさんあるように見えるため、「千珠」と呼ばれ、それが変化してセンダンとなった。
ヒヨドリなどの野鳥が好んで食べるが人間の食用とはならない、個人差はあるが、実を多く食べると嘔吐、腹痛、胃炎、呼吸停止を引き起こす。
実の中にある種子(苦練子)は民間薬に使われ、整腸作用、鎮痛作用があるという。
- 毒のある木を教えて下さい(20)
カルミア
別名をアメリカシャクナゲと言うが、シャクナゲの仲間ではない。
4~6月に咲く花は五角形で、色は白、赤、ピンク、紫などバリエーションに富む。
蕾は金平糖に似ており、その色の濃さから花より美しいとされることもある。
果実は小さな球形で10月頃褐色に熟す。
葉は長さ10センチほどになり、枝に螺旋状につくのが特徴。
麻酔性の有毒成分(グラヤノトキシン)を含み、誤食すると嘔吐、下痢、腹痛、神経麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(19)
シャクナゲ(石楠花)
華麗な花を咲かせるが、生の葉はロドトキシンという痙攣性の有毒物質を含み、誤用すれば運動麻痺や呼吸不全を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(18)
ホツツジ(穂躑躅)
北海道南部から九州までの山地に自生する落葉性のツツジ。
岩場や木の幹に着床して育つ事、花期が他のツツジとは異なる事、穂状の花を咲かせる事など、ツツジとしては特異な性質を持つ。
花には虫が集まって蜜を吸うが、ホツツジは木全体にグラヤノトキシンという有毒物質を含み、誤って食べると頭痛、嘔吐、痙攣などを引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(17)
ニシキギ(錦木)
秋にできる実は10月頃に熟すと自然に破裂し、中からオレンジ色の種子が顔を出す。
この種子はトリグリセロールという有毒成分を含み、人間が食べると腹痛、嘔吐、下痢などの症状を引き起こすが、野鳥は好んで食べる。
- 毒のある木を教えて下さい(16)
イヌマキ(犬槙)
雌の木にできる実は団子状だが、白い粉をふいた緑色の部分が本来の実であり、赤い部分は花托(花びら、雌しべなどを付ける部分)と呼ばれる。
花托は赤く熟せば甘味があり食用できるが、対になってできる緑の種子には毒(イヌマキラクトン)があり、誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(15)
フユサンゴ(冬珊瑚)
10月~12月に珊瑚のような赤い実がなることからフユサンゴと名付けられた。
実の直径は1センチほどで、8月頃にできはじめ、色は緑→黄色→オレンジ→赤と変化する。
長期間にわたって実を観賞することができる事、冬に鮮やかな色になる事から観賞用に使われるが、プチトマトのような実は一見おいしそうだが有毒であり、重症の場合は命を落とすこともある。
小さな子供やペットがいる家庭では厳禁。
- 毒のある木を教えて下さい(14)
アジサイ(紫陽花)
乾燥させた若葉をフリカケにして食べた地方があったり、乾燥させた花を解熱剤にした時代があったりと、アジサイは実用的に使われる面もあった。
しかし、セイヨウアジサイの花や葉には有毒物質が含まれ、腹痛、嘔吐、めまいを引き起こすこともある。
- 毒のある木を教えて下さい(13)
トチノキ(橡)
栃の実は現代でも「栃餅」として餅米と共についた物や、粥にしたものが食用される。
ただし、サポニンやエスクリンといった毒性の物質が含まれ、味も苦味があるので十分な灰汁抜き(精製)をしないと下痢、胃腸炎、脱水症状に陥ることがある。
実は食用のみならず、サポニンを利用して石鹸代わりに使ったり、焼酎に漬け込んだものや焼いて油で練ったものを塗り薬に使うなど用途が多い。
- 毒のある木を教えて下さい(12)
サイカチ(梍)
10月頃に成熟するマメは長さ20~30センチにも及ぶ。
中には3~6個の種が入っており、利尿や痰を切る漢方薬として使われる。
また、この種を含む実にはサポニンという物質が含まれ、煮汁が洗濯石鹸代わりになるため、庭木として使うことは少ないものの、オーガニックブームの影響もあって自然に優しい石鹸として見直されている。
ただし、種子は誤食すると嘔吐や下痢を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(11)
エゴノキ(野茉莉)
実を噛むと「えごい(えぐい)」味がすることから「エゴノキ」と名付けられた。
果皮にはエゴサポニンという有毒物質が含まれ、誤食すると胃の粘膜がやられて喀血するおそれがある。
かつて、痰切りの目的でエゴの実を製薬化したことがあったものの、胃への副作用があり製造は中止となった。
- 毒のある木を教えて下さい(10)
ユズリハ(譲葉)
秋になるとブドウのような実ができる。見た目は美味しそうで小鳥も集まるが、有毒物質が含まれており、食すれば呼吸困難などを引き起こす。
葉や樹皮にも有毒物質(ダフニマクリン、ユズリン)などを含み、家畜が食べると立てなくなったり、食欲不振や心臓麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(9)
エニシダ(金雀枝)
ホウキのような樹形に育つのが基本であり、ヨーロッパではその様子を魔女が使う箒に例え、エニシダが茂る家は主婦が強いとすると言い伝えがある。
木全体にアルカロイド毒のスパルティンという物質を含み、誤って食すと頭痛、嘔吐、血圧降下、呼吸困難を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(8)
ミヤマシキミ(深山樒)
ミヤマシキミの実は、正月の飾り花として使われる。
かつて本種をマンリョウと称して売っていたこともあるが、実は直径1センチ近くでマンリョウよりも大きく、容易に区別できる。
マンリョウより実が大きいためオクリョウ(億両)という呼び名もあるが、あまり定着していない。葉は長さ10センチほどと大きめ。厚めで光沢があり、縁にはギザギザがない。
ミヤマシキミはミカン科であり、葉をちぎるとミカンのような独特の香りがあるが、葉や実には有毒成分アルカロイドのシキミアニンを含み、誤食すると痙攣、血圧降下、心筋麻痺を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(7)
シキミ(樒)
江戸時代から花木として栽培される。光沢のある葉が美しく、サカキ同様、神仏事に使う実用性のある木として庭に植えられる。
木全体に香りがあり、乾燥させた枝葉は線香(抹香)の原料になることなどから、別名ハカバナ(墓花)と呼ばれ、土葬の時代は動物に掘り起こされないよう、シキミの枝葉を共に埋葬したという風習もあり、地方によっては縁起の悪い木として庭に植えるのをタブー視する。秋に熟する実に有毒成分(アニサチン、イリシン、ハナノミン)を含むため「悪しき実」とされ、これが転訛しシキミと呼ばれるようになった。
(アセビ(馬酔木)と同様だが、「臭き実」(クサキミ)がシキミに転じたという説もある。)有毒植物は日本に数多いが、なぜか本種のみが、毒劇法(毒物及び劇物取締法)において毒物指定されている。
実を食べると嘔吐、痙攣、意識障害が起き、最悪の場合は死に至る。
有毒成分は種子よりも果皮に多く、血液の凝固を促進する働きも持つ。
- 毒のある木を教えて下さい(6)
キャラボク(伽羅木)
成長しきったキャラボクは成長が遅く、樹形が乱れにくいため、あまり手間がかからない。
赤い実は食用にするが、種は有毒であるため、子供やペットが食べないよう留意する必要がある。
- 毒のある木を教えて下さい(5)
イチイ(一位)
雌雄異株で3~4月に開花するがほとんど目立たない。
メスの木になる赤い実の果肉(仮種皮)は甘く、食用や果実酒用となるが、その中に包まれる種はタキシンというアルカロイドを含む有毒性であり、飲み込むと痙攣を起こし、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもある。
枝葉は民間療法に使われ、糖尿病、高血圧、肝臓病に効果があるとする俗説があるものの、イチイは果肉以外すべての部位にアルカロイドを含むため、素人が容易に用いることはできない。
- 毒のある木を教えて下さい(4)
ネジキ(捩木)
アセビ同様に有毒植物であり、本来は庭に使われるような木ではないが、幹が持つ野趣や渋みのある紅葉が好まれ、雑木の庭を中心に使われることがある。
特に葉の毒性(アンドロメドトキシン、リオニアトキシン)が強く、家畜の飼料にネジキの葉を混ぜるのは禁物とされる。
人間も食せば、嘔吐や痙攣を引き起こす。
- 毒のある木を教えて下さい(3)
アセビ(馬酔木)
漢字名のとおり、馬がアセビの枝葉を食べると呼吸中枢が侵され、酔ったように脚が不自由になることから「アシビ(足痺れ)」の別名があるという。
アセビという名前も「悪し実(あしみ)」から転じたとする説もある。アセビの葉、花、枝に毒性(アセボトキシン/グラヤノイド)があり、アセビの葉を誤食すると嘔吐や痙攣といった症状が起き、花で作った蜂蜜で中毒を起こした例もある。
- 毒のある木を教えて下さい(2)
キョウチクトウ(夾竹桃)
枝、花、葉に毒(オレアンドリン)を含み誤食すると頭痛、嘔吐、意識障害を起こし死に至ることもある。
家畜のそばには植栽しない方がよい。
- 毒のある木を教えて下さい(1)
ドクウツギ(毒空木)
日本三大有毒植物(他にドクゼリ、トリカブト)の一つであり、実のみならず葉や茎にも毒を含む。
夏にできる赤い果実はよく目立ち、見た目も綺麗だが、コリアミルチン、コリアチンなどの神経毒を含み、少しでも口にすれば、延髄の中枢が刺激され、激しく嘔吐した末に全身が痙攣し、意識を失う。